シリコーンの可能性を広げるプラチナシリコーンとは?

公開日 2022.08.09
シリコーンの可能性を広げるプラチナシリコーンとは?

熱に強く、人体に無害なシリコーンゴムは、医療器具、調理用品などの日用品、美容用品など、人体に直接触れ
る製品に安心してお使いいただける素材です。
しかし、それでもまだシリコーンの進化は止まりません。
わずかに残るゴム臭を抑え、抗菌性を備えたプラチナシリコーンが、シリコーンの可能性をさらに広げています。

プラチナシリコーンの特徴とは?

一般的なシリコーンゴムは硬化剤に有機過酸化物(パーオキサイド)を用います。これがわずかに残る臭いの原
因です。プラチナシリコーンは硬化剤にプラチナを使用することでアウトガスの発生をほぼ抑え、臭いを無くし
ました。さらにはプラチナに由来する抗菌性も併せ持っています。
また、引裂き強度が上がる、圧縮永久歪みが小さいというゴムとしての特性も向上しています。

プラチナシリコーンの用途は?

抗菌効果でさらに安全、そして臭いに敏感な方にも安心してご利用いただけます。調理用品や幼児向けの玩具、
哺乳瓶の吸引部にもお使いいだけます。
耐熱温度はマイナス30℃~230℃までと広範囲ですので、煮沸消毒も可能です。
人体に無害なことはもちろん、ひっぱりにも強く、アイデア次第であらゆるものに形を変えることができます。

プラチナシリコーンの弱点は?

製造過程で硬化剤を混ぜたあとの化学反応が早く、製造管理には注意が必要です。
また加工前の材料の使用期限が短く、管理コスト、製造コストは工業用シリコーンゴムに比べて割高になる傾向
があります。

デメリットへの対策は?

医療用・食品用工場としてISO9001を取得しているシリコーンテクノの工場は、デリケートな素材の扱いにも慣
れています。

・材料ライフが短い → ロール作業専任者2名、豊富な経験による効率化により対応
・硬化阻害 → シリコーンゴムオンリー生産にて対応
・加硫硬化温度が125°C前後と低い → 工場内の低温化
・樹脂インサート成形

以上の対策により、プラチナシリコーンの成形加工に最適なスキームを整えています。

一般シリコーンゴム プラチナシリコーンゴム
硬化剤 有機過酸化物 プラチナ触媒
ゴム硬化温度 160℃~175℃ 120℃~130℃
臭気
硬化阻害
材料ライフ 1ヶ月 1日
アウトガス ほぼ無

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