近年、電気機器や電子機器は高性能化・小型化が急速に進み、同時に安全性や信頼性への要求もますます高まっています。
そのなかで重要な役割を果たしているのが、「絶縁材」の存在です。
数ある絶縁材料の中でも、耐熱性・耐久性・安定性に優れた「シリコーン」は、電気機器分野で長年にわたり活用されてきました。
一見すると目立たない存在ですが、シリコーン絶縁材は、機器の安全性と長寿命化を支える欠かせない素材です。
本コラムでは、電気機器におけるシリコーン絶縁材の特性と役割、そして今後の可能性について整理していきます。
1.シリコーン絶縁材の基本特性
1-1.安定した絶縁性能と高い安全性
シリコーンは、優れた電気絶縁性を持ち電圧がかかる環境下でも安定した性能を維持できる素材です。
湿度や温度変化の影響を受けにくく、リーク電流や絶縁劣化のリスクを抑えられる点が大きな特長です。
そのため、感電防止や短絡防止といった観点から、電気機器の安全設計において重要な役割を担っています。
1-2.耐熱性・耐環境性に優れた素材特性
電気機器の内部は、通電による発熱や周囲環境の影響を受けやすい場所です。
シリコーンは高温・低温のどちらにも強く、-50℃〜200℃以上の幅広い温度領域で安定して使用できます。
また、湿気や紫外線、オゾンにも強いため屋内外を問わず長期間にわたって絶縁性能を維持できる点も評価されています。
2.電気機器分野での主な使用用途
2-1. 電子部品・基板まわりの絶縁保護
シリコーンは、電子基板やコネクター、端子部の絶縁・保護材として広く使用されています。
防湿・防塵効果にも優れており、結露や粉塵によるトラブルを防ぐ役割も果たします。
特に、精密電子機器や制御装置では、安定した動作を支えるための重要な材料となっています。
2-2.電源・高電圧部品への応用
トランス、電源ユニット、インバーターなどの高電圧部品では高い絶縁信頼性と耐熱性が求められます。
シリコーン絶縁材は、こうした過酷な条件下でも性能を維持できるため、電力機器や産業用設備やEV関連機器など幅広い分野で活用されています。
2-3.ケーブル・配線部材への使用
電線被覆やケーブル部材としても、シリコーンは重要な役割を担っています。
柔軟性が高く、曲げや振動に強いため可動部や狭いスペースでも使用しやすい素材です。
長期間使用しても硬化しにくく、配線トラブルの低減やメンテナンス性向上にも貢献します。
3.高性能化・小型化を支える素材としての進化
3-1. 小型・高密度設計への対応
電気機器の小型化・高密度化が進む中で、部品同士の距離はますます近づいています。
シリコーン絶縁材は、薄膜でも高い絶縁性能を発揮できるため限られたスペースでも安全性を確保できる点が強みです。
3-2. 放熱性との両立
近年では、絶縁性に加えて「放熱性」を兼ね備えたシリコーン材料も登場しています。
発熱部品の熱を効率よく逃がしながら電気的な絶縁を維持できるため、高出力機器や次世代電子機器での需要が高まっています。
4.電気機器の信頼性を支えるシリコーンの役割
4-1. 長寿命化による信頼性向上
シリコーン絶縁材は経年劣化が少なく、長期間安定した性能を維持します。
これにより、電気機器全体の寿命延長や故障リスクの低減につながります。
結果として、保守コストの削減や安全性向上にも大きく貢献します。
4-2. 次世代電気機器への可能
EVや再生可能エネルギー設備、IoT機器など次世代の電気機器ではより高い信頼性と安全性が求められます。
シリコーン絶縁材はこうした分野においても、重要なキーマテリアルとしてその存在感を高めています。
まとめ
電気機器におけるシリコーン絶縁材は、高い絶縁性能や耐熱性、耐環境性を兼ね備えた信頼性の高い素材です。
電子部品から高電圧機器、配線部材に至るまで、さまざまな場面で安全性と安定性を支えています。
高性能化・小型化が進む現代の電気機器においてシリコーン絶縁材は、今後も欠かすことのできない存在として産業と社会を陰から支え続けていくことでしょう。
シリコーン製品の詳細や購入については、シリコーンテクノにお気軽にお問い合わせください。