シリコーンレジンとは「シリコーン」と「レジン」を組み合わせた言葉です。
レジンは樹脂のことです。シリコーンについての解説はこちら

温度域200度以上でも耐えられる非常に優れた耐熱性を有しています。そのため、200度以上で使われる塗料用ビヒクルなどに使用されます。 (ビヒクルとは顔料を分散させるための液状成分のこと。)
また、耐熱性にも優れているため、野外暴露による劣化にも強いです。
今回はシリコーンレジンについて解説します。

シリコーンレジンの種類

シリコーンレジンは、大別するとシリコーン本来の性質を利用したストレートシリコーンレジンと、ほかの樹脂と変性することによって多様な特性が付与された変性シリコーンレジンがあります。

ストレートシリコーンレジン

メチルシリコーンレジンとメチルフェニルシリコーンレジン

 変性シリコーンレジン

アルキッド変性、エポキシ変性、アクリル変性、ポリエステル変性など

シリコーンレジンの構造

シリコーンレジンは分岐度の高い三次元ポリマーから成り立ってます。（シリコーンオイルやシリコーンゴムは線状ポリマーから成り立っている） シリコーンレジンは3次元網目構造で構成された樹脂です。また、高粘度の液体から固体までさまざまな性状があります。

シリコーンレジンの特性

シリコーンレジンには次のような特性があります。

耐熱性
分子構造の主骨格を形成するシロキサン結合は結合エネルギーが大きく、熱分解温度が高いため非常に耐熱性に優れています。

耐候性
紫外線などによる劣化が少なく耐候性に優れています。塗膜の黄変、光沢の消失なども少なく、長時間にわたって安定した塗膜特性を維持します。

電気絶縁性
広い温度範囲にわたって優れた電気特性を発揮します。特に高温でも電気絶縁性の低下が小さく、温度や周波数の変化による誘電率、誘電正接の変化も少なく、耐アーク性にも優れています。

はっ水性
分子中のメチル基の配向により、硬化物の表面ははっ水性に優れています。

高硬度
分岐度の高い三次元ポリマーからなり、その硬化物の骨格はガラスに近似しているので、高硬度になります。

シリコーンレジンの用途

耐熱性、耐候性、電気絶縁性、はっ水性、高硬度などの優れた特性から、主に、樹脂材料として用いられます。他にも塗料用、電気用途などのバインダー、添加剤、塗装を傷めない為のコーティング剤としても使用されてます。車のリコーンレジンコーティングはカーワックスよりも強い被膜を形成し、美しい輝きと高い撥水性能が特徴です。撥水性能が高く、水染みになりづらい特徴があります。

まとめ

シリコーンレジンはこれらの特徴を活かして、幅広い分野で使われています。
シリコーンテクノはシリコーンレジンをはじめ、各種精密部品を製造・販売しています。長年培ってきた経験と技術を基に高精度の精密シリコーンゴムをお届けします。シリコーンに関することならなんでも、お気軽にご相談ください。

---

【参考文献】
旭化成ワッカーシリコーン株式会社
https://www.aws-silicone.com/