シリコーンゴムとは?過酷な現場で活躍するシリコーンの特性

公開日 2023.06.16
シリコーンゴムとは?過酷な現場で活躍するシリコーンの特性

皆さんがよく目にするシリコーンは「シリコーンゴム」だと思います。

シリコーンゴムは実にさまざまなところで使われています。例えばシリコーンゴム製の電子レンジ対応調理器、料理用ヘラ、鍋づかみなどがあります。これらは総称してシリコーンゴム成形品と呼ばれ、金型にシリコーンゴムを流し込み、熱によって硬化させたあとに型から取り出したものです。

ミラブルシリコーンと液状シリコーン

シリコーンゴムの原材料は大きく分けて2つ、固形タイプのミラブルシリコーンゴム(HCR:Heat Cured Rubber)と液状タイプの液状シリコーンゴム(LIMS:Liquid Injection Molding System)です。

ミラブルシリコーンゴムは生ゴムと言われるシロキサン単位が1万を超える高分子量のシリコーンポリマーにシリカと呼ばれる充墳剤と特性向上のための添加剤を混合して作られます。ミラブルシリコーンゴムは、耐久性、耐熱性、柔軟性、防水性などの特性を持つため、特に要求の厳しい産業分野で使用されます。

液状タイプのシリコーンゴムは、シロキサン単位が400〜1000程度のシリコーンオイルが原料となります。液状シリコーンゴムの別名LIMSとは液状射出成形システムのことで、2種類の材料を特殊な機械で混ぜ合わせて熱で硬化させて成形品を作ります。ミラブル型よりも金型への流れ込みが良いため、複雑な形状や細かいディテールを持つ製品にも均一に充填することができます。精密な成形や微細な部品の製造に適しています。

シリコーンゴムの生体適合性

シリコーンゴムは安定性、安全性、生体適合性が極めて高く、他に変わる存在のない素材として、人々の生命と健康の維持に貢献しています。生体適合性とは、材料が生体に優しく、副作用など有害な影響を与えない、安全かつ適切に使用できる材料の能力を指します。

医療の分野でも幅広く使われていますが、有名なものでいうとカテーテルチューブが挙げられます。体内に挿入するものなので、生体適合性があることはもちろん、優れた柔軟性が必要です。耐久性、さらには薬品に対しても変質しない耐薬品性もシリコーンゴムにはあります。他にも人体に密着してもアレルギーなどの反応がないことから、無呼吸症候群用のマスク、傷口に貼ることのできる医療用テープなど、様々な場面で活躍しています。

シリコーンゴムはその優れた特性から、医療やヘルスケアの分野でさらなる活躍が期待されています。

まとめ

シリコーンゴムはシリコーンポリマーから作られる柔軟で耐熱性のあるゴム状の材料です。耐熱性の他、耐水性、耐候性、耐薬品性など多くの特性があり、私たちの生活を豊かにしてくれます。

シリコーンゴムにはミラブルシリコーンと液状シリコーンの2種類があり、用途によって使い分けられています。生体適合性が非常に優れていることから、自動車や家電製品、医療現場など過酷な現場でその特性を発揮しています。

お客様の「カタチにしたい」想いを、確かな開発力と製造技術で実現します

シリコーンテクノでは幅広い分野に適応するシリコーン製品を作っています。
化学物質に強く柔軟で耐久性があり、人体に安全という性質(生体適合性)を活かして医療用器具に貢献しています。耐寒・耐熱性、防水性、耐候性に加え、精密加工が可能な特性を活かして、電子機器や自動車用部品の提供も行います。

長年培ってきた経験と技術を基に高精度の精密シリコーンゴムをお届けします。シリコーンに関することならなんでも、お気軽にご相談ください。


参考、引用文献:
『シリコーンとシリコーンの科学』B&Tブックス日刊工業新聞社
『シリコーン大全』日刊工業新聞社
『トコトンやさしい!シリコーンの本』日刊工業新聞社

CONTACT

お問い合わせ